『「あなたを見つめて」は名曲 ・・・なのに』
多くの方が評価しているように「あなたを見つめて」は「風の坂道」と並ぶ屈指の名曲だと思う。彼の透き通る声を聴くたび心を洗われていくような気がする。
「何も求めない、今何も望まない、明日 あなたに会えれば それだけで」
この1行に彼の人を愛する気持ち、やさしさが凝縮されているのがわかる。本当に素晴らしいフレーズとして記憶に残る。このアルバムは映画のサウンドトラックとは関係ないが、どうしてもこの曲を聴けば私は映画をイメージしてしまう。
他にも、恋におちた二人を突き放したように描く「いつか どこかで」、‘誇りを捨てないで’というメッセージが印象的な「風と君を待つだけ」、小曲ながら人生を感じさせる「時に抱かれて/正木のテーマ」・・・。
小田氏は、アップテンポのナンバーにも数多くの名曲を残しているがこうしたバラードで特に本領を発揮する。そして、透明感溢れるサウンド、甘酸っぱいメロディ、透き通るようなハイトーンボイス、これらが一層聴く者の気持ちを捕らえて決して離そうとはしない。このアルバムは彼のベスト作と言って過言ではないだろう。
ただ一言、どうも小田氏は、私たち聴く者が‘いい!’と評価する曲をそれほど評価してくれないように感じる。言い換えればベスト盤を作るのが下手なのだ。「あなたを見つめて」をベスト盤(自己ベスト)に入れなくてどうする!と思うのだが・・・。